Handmade Life

〜 one tree of Life 〜
<< 〜市橋と源山〜 | main | 禁断の散髪 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| スポンサードリンク | - | | - | - | - | - |
〜実現した夢〜
千草に頼まれた岳牙のツケを受け取りに俺は源山のおっさんのところに向かった。
そういや、ボーっとしてたから箒も持ったまんまだ。
なんかわかんねぇけど、掃除も手につかない。
あの男の所為だろうけど…。

どっかで会ったことがあるような、ないような…。

こういう時は大体真っ先に面倒臭ぇと思っちまう。
考え事なんてらしくねぇ…けど気になるもんは仕方ねぇ。
だからおっさんに聞きに行くことにした。

おっさんのとこに向かう途中に市橋を見かけた。隣には伊之助が歩いてる。
半笑いで薄気味悪ぃから話し掛けるのはやめた。
さっさとおっさんに会おう。

妖怪の根城とかいう場所に着くと今度は白峰がいた。
「源山ならいないよ、ついさっき出掛けた」
こいつだけは半年前から変わらない…いや、積極的に町に下りて来ないんだから変わったのか…まぁいいや。
「ほら」
白峰はそう言うと巾着袋を俺に投げた。片手で受け取ったらチャリンと音を立てた。
「小村屋のツケだよ。全く、岳牙のやつ…飲んだくれてばっかなんだから」
全く、羨ましい限りだ。
「それで足りないなら皿洗いでもさせてやってよ」
俺は、はいはいと頷き、帰ることにした。おっさんが居ないなら話もできねぇし。
「たまにはお前も飲みに来いよ」
「遠慮しとく」
白峰は未だに門司を殺したことを後悔しているらしい。
後悔ってのはまた違うんだろうけど、千草には顔を見せない。
俺だって俺を仇と思ってるやつには会いたくない。
そんなやつが居ればの話だけど…。

妖怪の根城を後にして少し歩くと、そこでとんでもないことに気がついた。
この景色…夢に出てきた場所とそっくりだ。
桜はまだ咲いちゃいねぇが、木の並び方、道幅はまったくと言っていいほど同じ。

途端に俺は全身に鳥肌が立つのを感じた。嫌な予感がする。
「…出て来い」
夢と同じ言葉を言ってみた。これで何も起こらなければただの気のせいだ。
木々の間に風が通り抜ける。サァーっと音がしてまた静かになる。
しばらくの間待ってみたがなにも起きなかった。
そりゃそうだ、なにもかもが違いすぎる。
半年前みたいな予知夢はもう見ないだろう…翠月は俺が斬ったんだ。

だけど、あの夢は半年前に見た夢と同じ感覚だった。
どうして夢の中に翠月が出てきたのか…今度はそれが気になり始めた。
「屯所に行くか」
長く考えた末、答えを口にして俺はそこから歩き始めた。

「くくく…すまねぇ。待たせたな」
声がした。振り向くと五つの影。刀を持ってないのを見るとおそらく妖怪なんだろう。
「いや、あんまりにもあいつが言った通りなんで笑っちまってよ」
「言っとくが、俺は刀は持ってねぇぞ」
「おい、あんまり変えるな」
別の妖怪が俺に話しかけてきた奴に言った。なんのことだかさっぱりわかんねぇが、おそらく俺の命を狙ってることだけは確かだ。
「うるせぇな!!」
俺は夢の通りさっさと素手の男に斬りかかった…が、忘れてた。
俺が持ってるのは箒だった。だが、そのまま打ち付けると素手の男は気絶した、代わりに箒は折れちまった。懐から出てきたのは銃だった。初めて見たが、そんなんに感心してる場合じゃない。
次は後ろから槍の男。案の定背中を狙ってきた、俺は半身をひねり、槍を掴む。右手で顔を殴り、槍を奪った。すかさず、槍の柄で男の腹を突く。槍を持っていた男は倒れた。
今度は棒の男。俺は夢の通り跳んで避けた…そこで見上げた空に俺はビビッた。

−赤い三日月。

長い槍で男の頭を打ち下ろした。全体重が乗った、男も倒れた。
「なんだありゃ…」
真っ先に夢だと思った。だが、滴る汗の温かさ、体の感覚、全てがそれを否定した。
そのまま残りの二人を打った。意外にも二人はあっさり倒れた。

問題はこの後だ。
運が悪ければ俺は死ぬ。千草に挨拶して出てくりゃ良かった。
思った通り背後に気配を感じた。

振り返れば俺は死ぬ。

夢では相手の太刀筋が見えなかった。だから避けようがない。
さっきとはまるで違う汗が体中から噴出した。
恐怖を振り払うように叫んだ。

「誰だ!!」

途端にその影は動き出した。俺は即座に振り返る、暗くて顔が見えない。
だが、赤い三日月に照らされた刀身が上から降って来るのは見えた。
俺は槍で受け止める。そいつの顔が近づく。
「お前は…!!」
俺とそいつは同時に声を揃えて言った。

その影は市橋だった。
| 高田 一樹 | 翠月が笑ったらぶった斬れ!2(小説版) | 16:36 | comments(0) | trackbacks(2) | - | - |
スポンサーサイト
| スポンサードリンク | - | 16:36 | - | - | - | - |









トラックバック機能は終了しました。
-
管理者の承認待ちトラックバックです。
| - | 2007/05/17 12:18 PM |
-
管理者の承認待ちトラックバックです。
| - | 2007/05/17 12:19 PM |
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< May 2020 >>
+ SPONSORED LINKS
+ RECOMMEND
モテる技術 (ソフトバンク文庫NF)
モテる技術 (ソフトバンク文庫NF) (JUGEMレビュー »)
デイビッド・コープランド,ロン・ルイス
+ SELECTED ENTRIES
+ RECENT COMMENTS
+ RECENT TRACKBACK
+ CATEGORIES
+ ARCHIVES
+ 高田一樹
110715_1447541.jpg
地元新潟で演劇活動などを行う人。


峰精流剣舞道峰精館所属。
雅号は高田壱峰(いっぽう)
師範なのを良いことにやりたい放題する。

殺陣教室!!
高田劇剣術道場

詳細はこちら
綺麗なお姉さんと心理学が好き。
モテたい。

twitter@sir_kz その他詳細は下のPROFILE欄でご確認ください。


「こんな記事を書いて欲しい」リクエストや直接伝えたい方は下記のリンクからメールをお送りください♪

To Handmade Life
one___tree712@yahoo.co.jp
(___を削除してアドレスに打ち込んでください)
もちろんコメントもたくさんお待ちしてます!!
+ MOBILE
qrcode
+ LINKS
+ PROFILE