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〜 one tree of Life 〜
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〜岳牙と忠吾と慎三郎〜
「おい!!お前の仇ってのは妖怪か!!」
忠吾の後ろから慎三郎が声をかける。忠吾の前には岳牙が走っている。三人は岳牙が妖怪を見かけた場所へと走っている。慎三郎は小村屋を出る時に外にいた天巌隊に声をかけたがどうやら伊之助・信也では不安らしく義隆を呼ぶ事にしたようだった。
「ええ、そうです。私ではなくさつきの仇ですが」
忠吾はそう付け加えながら答えた。

「あそこだ」
岳牙は急に立ち止まると人差し指を口の前に出し、静かにしろと言う意味の手振りをして二人に言った。三人とも息切れをするような距離では無く、郊外だが山の中と言う程でもない。そんな場所に着いた。
岳牙の目線には古びた小屋があった。誰も住んでいる様子が無く、屋根も所々穴があいている。雨風は全くと言って良いほどしのげそうに無いし、なにより岳牙の言ったような妖怪の姿は見えなかった。
慎三郎は拍子抜けしたように言った。
「おい、誰もいねぇじゃねぇか」
「ちょっと黙ってろ、バカ」
「バカだと、お前だって似たようなもんじゃねぇか」
「ちょっと待って下さい、喧嘩しに来たんじゃないんですから」
少し熱くなりかけた二人を忠吾が制した。二人はお互いに納得したのかにらみ合いをやめた。忠吾は軽いため息をつき、これからの作戦をたてようと岳牙のほうに目線をやった。
その時だった。
「喧嘩しに来たんじゃないならなにしに来た」
問いかけとは受け取れそうに無い、ひどく高圧的な言い方で後ろから声がした。
後ろと言ってもそれは岳牙の背後で、忠吾はそれに気がついた。
しかし、反応する間もなく岳牙は忠吾の足元に倒れた。
「おい!!岳牙!!」
倒れた岳牙の背中に血は流れていなかった・・・どうやら刺されたりはしていないようだった。岳牙を引き起こそうとしゃがみかけた慎三郎の肩に忠吾は手を置き、制止した。
「おそらく大丈夫です・・・それよりも」
敵は一人ではなかった。慎三郎の振り返った先には今まで見たこと無い程の数の妖怪がいた。ちっ、と舌打ちをしながら慎三郎は刀の柄に手を伸ばした。忠吾も同様に自分の腰の刀の柄を握った。
「ざっと十はいますね・・・この町はいつもこうですか?」
「んなこたねぇよ、俺も初めてだ」
「・・・どうします?」
「どうもこうもねぇよ!!」
慎三郎の頭の中には岳牙が倒された事、そしてここに来てなぜこんなことに首を突っ込んだのかと言う自分への苛立ちが興奮となって昇った。忠吾が慎三郎を止めに入る間もなく慎三郎は岳牙を倒した妖怪へと斬りかかった。
−ガギッ!!
その妖怪は妖怪らしく右手の甲で慎三郎の斬撃を受け止めた。
「妖怪みたいな気性の荒さだな」
「残念ながら妖怪じゃねぇよ!!」
慎三郎は続け様に斬撃を繰り出した。が、ことごとく妖怪はそれを受け慎三郎の上段斬りの隙をつき、彼の腹を蹴飛ばした。
「ぐぁっ」
声にならない声をあげ、忠吾の前まで跳んだ。
「さあ言え。なにしに来た」
「さあ。俺もなんでかはわかんねぇな」
立ち上がろうとする慎三郎を忠吾が刀で制した。
「聞きたい事があります・・・源山と言う妖怪を知りませんか?」
その言葉に驚いたのは妖怪ではなく慎三郎だった。
「忠吾、なんでおっさんの名前知ってんだ」
「・・・さつきの仇です」
「おっさんが仇?嘘つけ!!」
慎三郎が忠吾の胸ぐらを掴んだ。その瞬間−

−ドシュッ!!

耳障りな音と共に忠吾の左手が宙を舞った。
その瞬間からその忠吾の左腕が地に落ちるまで慎三郎には全てが遅くなって見えた。
「聞いておいて無視してんじゃねぇ」
妖怪はそう言ったが慎三郎の耳には届かなかった。・・・意識が遠くなる。
忠吾を掴んでいる自分の手が自分のものではない感覚がした。
力の抜けた慎三郎の左腕から忠吾は力無く崩れ落ちた・・・。

−死んだ・・・。

人が死ぬのを見たことは無かったが直感的に慎三郎はそう感じた。
それでも遠くなっていく意識の中で岳牙が起き上がろうとしているのが見えた。
「今起きたらマズいぞ・・・」
そう思った目線の先におぼろだが見知った顔があった。
「またお前が黒幕かよ・・・白峰」
四月三日昼。
慎三郎の意識はそこで途切れた。
| 高田 一樹 | 翠月が笑ったらぶった斬れ!2(小説版) | 22:06 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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地元新潟で演劇活動などを行う人。


峰精流剣舞道峰精館所属。
雅号は高田壱峰(いっぽう)
師範なのを良いことにやりたい放題する。

殺陣教室!!
高田劇剣術道場

詳細はこちら
綺麗なお姉さんと心理学が好き。
モテたい。

twitter@sir_kz その他詳細は下のPROFILE欄でご確認ください。


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